ヤナギランは、アカバナ科の多年草で、主に欧州や高山帯に自生します。高さ0.5〜1.5メートルまで伸び、葉は互生、総状花序に濃紫色の花が下から順に咲かせます。非常に生命力の強い草花で、山火事後に一番最初に咲き群生する花として有名で、別名「ファイヤー・ウィード(Fireweed)」と呼ばれています。英語名は「エピロビウム(Epilobium)」「ウィローハーブ(Willow herb)」。
■ 食経験・安全性
欧州を中心に数十年の間、抗炎症や前立腺疾病対策の薬用茶として親しまれてきました。特にロシアでは「イワン・チャイ」という名前で、今でも日常的に飲用されています。副作用の心配も無い安全性に優れたハーブ素材です。
成分、効果・効能について
■ 規格成分「エノテインB」について
ヤナギランに豊富に含まれる「エノテインB(英語名:Oenothein B、OEB)」は植物ポリフェノール、エラジタンニン(加水分解タンニン)の⼀種。抗酸化、抗炎症、細胞の抗ストレス作⽤に優れており、近年注⽬されている成分です。
■ 期待される効果・効能
ヤナギランは下記に対しての効果が、科学的に認められています。
- 男性の前立腺肥大症、前立腺疾患、夜尿症改善(メーカーでヒト臨床試験済)
- 女性の過敏性膀胱、ストレス性尿失禁、真菌尿路感染症改善
- ホルモンバランス(ジヒドロテストステロン(DHT)阻害抑制、アロマターゼ阻害)
- 抗ウィルス、抗菌作用
- オートファジー活性化(エノテインBによるもの。論文:線虫の寿命22%延伸効果)
- 頭皮、肌の皮脂の健康維持(塗布原料として)
男性の尿トラブルに対しての効果
ヤナギランは古くから前立腺肥大症(BPH)をはじめ、多くの中高年男性が悩みに持つ前立腺疾患を解決してきました。ヤナギランは非常に優れた抗酸化、抗炎症作用を有しており、効果はin vitro試験結果や臨床試験で実証されています。また市場で定番のノコギリヤシやペポカボチャと同じく、ホルモンバランスを整える効果も報告されています。ヤナギランが持つこれらの複合的な効果が、前立腺疾患から保護してくれます。
エビデンス(in vivo / in vitro)
■ in vitro試験
● 抗酸化作用
前⽴腺細胞(LNCap)をヤナギラン(ENOTprost®)で前処理することで細胞の抗酸化防御⼒を高めるSOD-1およびmRNAレベルが増加しました。このSOD-1は最も重要な内因性の抗酸化防御機能の⼀つです。
● 抗炎症作用
前⽴腺細胞(LNCap)をヤナギラン(ENOTprost®)で、炎症反応を抑えるTNF-αタンパク質レベルが低下。このTNFαは、最も重要な炎症性サイトカインの1つです。
■ in vivo試験
● バイオアベイラビリティ(⽣物学的利⽤能)確認
マウスを用いて、ヤナギラン(ENOTprost®)のバイオアベイラビリティ(⽣物学的利⽤能)確認を実施。短期投与することで血漿中にフラボノイド、長期投与時にフラボノイドとウロリチンが検出されました。ウロリチン類は、エラグタンニン(エノテインBなど)の腸内代謝物で、オートファジー等の若返り機能があるなどが報告されている非常に有益な成分です。
エビデンス(ヒト臨床試験)
■ 概要
2020年にイタリアにて前立腺肥大症(BPH)の症状を持つ被験者128名による「ランダム化二重盲検プラセボ対照試験」を実施。世界で初めてのヤナギラン単体での臨床試験となります。
● 国際前⽴腺特異的スコア(IPSS)改善効果の評価
ヤナギラン(ENOTprost®)摂取群ではt0からt3の期間に、国際前立腺特異的スコア(IPSS)が、2.0ポイント近く有意に減少し、プラセボ群ではわずかに増加(0.6ポイント)しました。この結果は、ヤナギランを摂取した被験者のQOL(⽣活の質)が向上したことを⽰し、またヤナギランがBPHに対して保護効果があることを明らかにしています。
● 膀胱内残尿量改善効果の評価
前⽴腺超⾳波で膀胱の排泄後残量(PVR)をモニター。ヤナギラン(ENOTprost®)摂取群では、膀胱内の残尿量が少ない被験者数が有意に増加し、残尿量が100ml以上の被験者数が低下しました。
● 夜尿症改善効果の評価
ヤナギラン(ENOTprost®)摂取群では、⼀晩中排尿しない被験者数が21.7%増加したのに対し、プラセボ群では10.2%減少。更に⼀晩に3回以上排尿する被験者数が、ヤナギラン(ENOTprost®)摂取群ではゼロになったのに対し、プラセボ群では変化はありませんでした。
■ 結果
ヤナギラン(ENOTprost®)の前立腺肥大症(BPH)からの保護機能の有効性が確認できました。また、症状が緩和することにより、睡眠をはじめ生活の質の向上効果があることが実証されました。
女性の尿トラブルに対しての効果
ヤナギランは欧州では女性の過活動膀胱や、尿失禁対策のハーブ薬として利用されています。
近年の研究でヤナギラン、エノテインBには膀胱周辺にある平滑筋の炎症を和らげる効果、真菌に対しての抗菌効果があることが報告されています。またホルモンバランスを整える機能が、骨盤周りの筋肉の衰えを予防することが考えられます。これらは閉経後の女性の多くが悩みに持つ「過活動膀胱」や「尿失禁」、「真菌尿路感染症(UTIs)」の主たる原因です。
SDGs目標達成に向けて
No.14「海の豊かさを守ろう」、No.15「森の豊かさも守ろう」
■ 栽培、量産にミツバチを使用
ヤナギランは人工的ではなく、ミツバチを用いた伝統的な方法で栽培をおこなっております。
■ 梱包資材として「クラフトファイバードラム」を採用
当原料の容器(25kg時のみ)に、"クラフトファイバードラム"を採用しております。本体がクラフト紙でできているため、再利用が可能な非常に環境にやさしい容器です。食品業界で長らく課題になっている「脱プラスチック活動」にも一役買っています。森の資源を守ることはもちろん、海洋ゴミ問題(マイクロプラスチック問題)の解決の一助にもなります。
EPO srl社について
- EPO srlは、イタリア・ミラノに1933年に設立した高品質な植物エキスを製造、供給している企業です。
- 栄養補助⾷品・⾷品、医薬品、化粧品、飼料、農業、織物向けなど多岐にわたり原料供給を⾏っています。
- ⾷品・⾷品サプリメント規制のGMP、FDA認証を取得しています。
- さらに、ISO9001:2015、KOSHER、オーガニック認証も取得しています。
- DNA配列を⽤いて種の同定する「DNA barcoding」というユニークなトレーサビリティと品質保証をおこなっています。
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