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2026.01.30 コラム

【コラム】オートファジーと女性の妊活

最近、オートファジーと女性の妊活をテーマにした商品開発のご相談を頂くようになりました。
簡単ではありますが、本日は「オートファジーと女性の妊活」をテーマにしたコラムを書かせていただきます。(文責:AL-FOODS(株) 向井)

【コラム】オートファジーと女性の妊活

オートファジー(autophagy)は、細胞内で不要・損傷タンパク質や老化したミトコンドリアを分解・再利用する仕組みであり、細胞の恒常性維持に不可欠な生命現象である。近年、このオートファジーが女性の妊孕性(妊娠する力)と深く関わることが、基礎研究および臨床研究の双方から明らかになりつつある。

卵子の質とオートファジー

女性の卵子は加齢とともに質が低下するが、その主要因の一つがミトコンドリア機能障害と酸化ストレスの蓄積である。オートファジーの一形態であるマイトファジー(mitophagy)は、機能不全に陥ったミトコンドリアを選択的に除去することで、卵子内のエネルギー環境を健全に保つ役割を担う。マウスモデルでは、卵母細胞におけるオートファジー関連遺伝子(Atg5 など)の欠損により、受精後の胚発生が著しく障害されることが示されている¹。

着床・初期胚発生との関連

受精直後から着床までの初期胚発生段階では、母体由来タンパク質の分解と再構築が急速に進行する。この過程においてオートファジーは必須であり、受精卵が自律的な代謝システムへ移行するための「初期リセット機構」として機能する。ヒトを含む哺乳類において、オートファジー活性が低下すると胚盤胞形成率や着床率が低下することが報告されている²。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)・加齢との関係

妊活において重要な課題であるPCOSや加齢性不妊では、インスリン抵抗性、慢性炎症、酸化ストレスの亢進が共通して観察される。これらはいずれもオートファジー機能低下と関連する因子であり、卵巣組織におけるオートファジー制御異常が卵胞発育障害に関与している可能性が指摘されている³。もっとも、ヒト臨床において「オートファジー活性化=妊娠率向上」と直接的に結論づけられる十分な介入試験は、現時点では限定的である。

妊活と生活習慣の視点

オートファジーは断食、適度なエネルギー制限、運動、概日リズム(睡眠)などの生活要因によって調節されることが知られている。妊活において極端な制限や過度な介入は推奨されないが、過栄養・慢性的な高血糖状態を避け、細胞レベルの「更新力」を保つ生活設計が、卵巣環境の健全性維持に寄与する可能性は理論的に支持される。これはあくまで生理学的知見に基づく整理であり、特定の方法が妊娠を保証するものではない。

まとめ

オートファジーは、卵子の質、初期胚発生、卵巣環境の維持に関与する基盤的な細胞機構である。妊活において注目すべきなのは「短期的なテクニック」ではなく、細胞の恒常性を支える長期的な生理環境であり、オートファジー研究はその理解を深める重要な手がかりを提供している。


参考文献(脚注)

  1. Tsukamoto S, Kuma A, Murakami M, et al. Autophagy is essential for preimplantation development of mouse embryos. Science. 2008;321(5885):117–120.
  2. Mizushima N, Levine B. Autophagy in mammalian development and differentiation. Nat Cell Biol. 2010;12(9):823–830.
  3. Liu Y, Du Y, Lin L, et al. Autophagy dysfunction in polycystic ovary syndrome. J Ovarian Res. 2018;11:37.
  4. Rizzo A, et al. Mitochondrial dysfunction and oxidative stress in female reproduction. Reprod Biol Endocrinol. 2020;18:23.

【テーマ対象原料】
ヤナギラン抽出物※日本オートファジーコンソーシアム認定素材
北半球で愛される薬用ハーブ素材で、アイヌ語で「子宮の草」とも。

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